ココとマシロ



一方ココはというと、長い茶色のクルクルしたクセっ毛がトレードマークの小学五年生で、マシロに負けないくらいの大きな瞳を持っている。

しかし、そんな可愛らしい彼女だが、見えないものが見えるという特技(?)のおかげで、周囲からはその外見以上に中身の方に目をやられる事が多かった。



ココとマシロが出会ったのは、ちょうど一年前の事。

黒い影から逃げるココをマシロが救い、その時、まだ名の無い鬼だったマシロにココが名付けた事がきっかけだった。


その日から今日まで、二人はずっと共に過ごしている。



「じゃあ行ってきます!」


そう言って、ココは元気良く家を出た。
隣にはもちろん、マシロも居る。

急いだおかげで10分で仕度を終える事が出来たため、走って登校しなくても間に合う時間帯だった。

小学校までは真っ直ぐ行って徒歩15分ほどの距離。
ココは、楽しそうに鼻歌を歌う。