ココとマシロ




呼ばれたから来てみたものの…


マシロはジッと、ココを見詰めた。


…なんでこんな事になっているんだ。そう思いながらも、頭の中では大体の予想はついている。

もちろん良い気分はしない。


「………」


無言のままココの傍へ寄り、驚く程に質量のあるココに覆いかぶさる影へとマシロは手を伸ばした。


人間の負の感情には嫌気がさす。
どこまでもしつこくて、どこまでもうっとおしい。

そんな物を生み出す事に、何の意味があるんだ。そのせいでココがいつも辛い思いをするんじゃないか。


そして影の中へ手を入れたマシロは、その開かれた手の平を、グッと握り締めた。

すると影は、手の中へと吸い込まれるようにスーッと縮こまっていく。