ココとマシロ



「え?何って…エミカちゃん見えたの?」

「見えた?何が?そうじゃなくてさ、なんか美波の奴が急にスッキリした顔したから…それってもしかしてココちゃんの仕業?影とかってやつ?あ、マシロってこれ?てかこれって何?何があったの?」


笑華自身、表には出さないが戸惑っているのだろう。口がまわりにまわる、質問が次々と浮かび上がる。

しかしココには、笑華の質問に答えるだけの余裕は残されてはいなかった。


「…そっか…見えてなかったかぁ…」


独り言のようにそう呟き、ガクンと膝をつく。


「ココちゃん⁈ 」


様子が可笑しい事に気が付いた笑華がココを支えた。すると、荒い呼吸をするココの額には脂汗が浮かびあがり、瞳はどこか遠くを見ているような、意思を感じさせないものである事が見られた。

一体何なんだ!と、笑華は戸惑うと共に焦りを感じる。

どうしよう、先生を呼びに行くべき?でも置いてなんて行けないし、でもこのままじゃ何にも…あぁ、どうすれば良いんだろう!