「話があるの、こっちに来て」
言われるがままにココは美波の後に続くと、他の女子達も当たり前のようについて来た。
一体何があるんだろうと、ココは不安に思う。なんでこんなに…怒ってるんだろう。
ココの目に入るのは、美波の後ろの黒い影。それは美波の態度で分かる以上に、大きく濃いものだった。こんなに大きくなかったはずなのにと、ココは疑問に思のと同時にやっぱり心配してしまう。
そしてそのままぞろぞろと大勢で歩いていくと、校門から少し離れた場所で先頭の美波が足を止めた。そこは校舎の裏だった。
…この場所にこの雰囲気。美波がしようとしてる事はただ一つ。
「篠宮さんさ、何のつもりなの?」
ココを取り囲む女子の中で、美波は腕を組んで言った。
「話し方とかまじウザい。ぶりっ子してんのバレてるから」
そして「直哉君が優しいからって調子に乗ってんじゃねーよ」と一歩前に出ると、ココの肩を強めに押した。



