それから放課後まで、直哉はココによく声を掛けた。
ココが淋しい思いをしないように配慮したのか、それともただ単に自分の興味が向いているという事なのかは分からないが、ココがお礼を言うと、直哉は嬉しそうにした。
しかしその一方で、笑華との会話は朝のそれだけだった。その影響で、放課後になった今でもココの気持ちは曇ったままだ。
そんなココは、自分に付き纏う黒い影を感じていた。きっと今のココの気持ちの現れだと、自分でも分かっている。
なんとかしないとなぁ、と足速に校門へと向かうが……しかし、
「篠宮さん、ちょっと待ってくれない?」
後ろから聞こえた声に呼び止められて、振り返る。
そこには数人の女子。あれ?真ん中の子は確か……
「ミナミちゃん?」
そこには、不機嫌な顔をした美波が立っていた。



