「エミカちゃんってば!ココの話聞いてる⁈ 」
その声で直哉の意識はすぐにココと笑華側へ向けられた。
そうなればもう、常に一直線の直哉の頭にはそれしか無くなるのだ。
「ごめん美波、オレ、篠宮サンとこ行くわ」
なんて言うと、「オレもオレも、聞きたい事あんだけどー!」と、美波をおいて普通に近付いてくる直哉。そんな直哉に笑華は思わず溜息をついた。
「おまえ、美波どーすんのさ」
「あ?美波?」
訳の分かっていない直哉のキョトンとする顔を見て、笑華は再度溜息をついた。
やっぱりなぁ。
むやみに好かれてるおまえのせいで、ココちゃんやたら睨まれてますけど。



