顔を赤らめて上目使いに直哉を見る美波。
そんな美波の様子を遠目に見て、笑華はゲンナリした。うわぁ、やってるやってる、美波の奴。そんな視線を美波に送ってしまうが、直哉に集中している美波は気づいていない。もしかしたらそんな視線も関係無いのかもしれない。
「ねぇ、直哉君は優しいね」
ニッコリ微笑んで美波は言う。それに「へ?何急に」と、直哉は首を傾げた。
「だって篠宮さんの事みんなに紹介してあげたんでしょ?すっかり仲良しみたいだし」
「?、そうだけど?」
「すごいよねぇ。私も直哉君と仲良くなりたいなぁ」
それは美波の必死なアピールだった。
いくらマセてても所詮小学生なんてこんなもんだと、笑華は鼻で笑う。笑華自身も同じ小学生だというのは置いておいて、の話らしい。
…それなのに、どんなに分かりやすいそれでも、何故か直哉には通じない。



