「その……黒いなんとか?信用ならない感じ」

「え?」

「それって本当な訳?」


そう言った笑華の後ろの影はまた、更に濃いものになった。それを確認して、あぁ、そうゆう事かとココは理解する。


「…本当だよ、本当に見えるんだよ。なんでかよく分からないけど」

「……ふーん」


…やっぱり、言った所で分かってもらえない。答えた所で何の意味も無い。だってこの子は信じていないし、信じようともしていない。

笑華の影と同様になんだか悪くなって来た雰囲気にココが萎縮し始めると、そんな状況に「はぁ…」と、直哉が溜息をついた。


「んな気にするほどでもねぇだろ。子供だなぁ」

「え、で、でも気になって…」

「あ、いや、篠宮サンじゃねぇしな」

「…え?」