黒い髪を高い位置でポニーテールにした彼女は、手足がスラッと長く、抜け感のある猫目が印象的な綺麗な顔立ちの女の子だった。
そんな彼女を指さして、「コイツが笑華。運動神経がすげー良いんだけど、それにも増してすげー生意気なんだぜ」なんて、直哉はココに紹介した。
「ムカつく。朝一でムカつくな、おまえ」
そんな直哉の言葉に遠慮のカケラも無くそう答えた笑華は直哉を睨み付けた後ココに目をやり、「あぁ、昨日の」と、少し驚いたような表情をする。
「し、篠宮ココです!よろしく!」
「あ、うん。よろしく」
ココの挨拶にニッコリ笑って答えた笑華だった。が、しかし、ココはあれ?と、妙な引っ掛かりを感じる。
笑顔とは逆に、後ろの影が目立ってきたのだ。これは多分ココを確認してからのものだと、今までの経験上ココには理解出来た。
「……何か、怒ってる?」
「え?」
「ココ……何か、したかな」



