「心配したんだよな?田中のこと」
……!
そっか、そうだ。そうなんだ。
「心配…したんだ、ココ」
改めて人から言われる事なんて無かったココは、温かみのある直哉の言葉に驚いた。
他人事のように呟いてしまうくらい、ココは驚いたのだ。
昨日は思わず口に出してしまって後悔した。なんで言ってしまったのだろうと、毎回同じような事をする自分に疑問に思った。ついやってしまうこの気持ちは何なんだろう、なんで言ってしまうのだろうと。でもその答えは…至って単純だった。
ただ自分はーー心配していたのだ。
兎に角驚いたその後、答えを知ってココはなんだか胸が熱くなった。するとそんなココを直哉は驚いたようにじっくりと眺め、一言、「ふーん」と何やら声を零すと、ポツリと呟いた。
「…いー奴じゃん、篠宮サン」
「うん?」
「いー奴だな!こっち来いよ、みんなに紹介するから!」
そう言った直哉は真っ直ぐな笑顔をココに向けていて、その先には直哉の友達数人が見える。



