辺りの空気が引き締まった事が分かる。こちらをじっと見てる。静かに、息を殺して耳を澄ましているんだ。
ココでも分かるこの空気に、直哉はもちろん気が付いている。気が付いた上で、もう一度言葉にした。
「言ってたじゃん、昨日。なんか黒いのがどうとかって…、」
「あ、あれは違うよ!そうゆうのじゃないんだよ!」
辺りの空気を追い払うように、ココは無意識の内に大声で言っていた。
そんなココに、「へぇ〜」と、直哉は目を見開いて驚いて見せる。
「そうゆうのじゃないって、じゃあどうゆうのなの?」
「感情だよ!嫌な感情!」
「…感情?」
「そう!すっごく重くてすっごく苦しくて、すっごく辛いんだよ!」



