ココとマシロ



「ま、いっか。ちょっとココ行ってくる!」


と、ココがドアノブに手をかけたその時だった。


「っ‼」


先程まで一切こちらに気がつかなかったグラウンドの子供達が、一斉にこちらを向いたのだ。それも何故か、全員のその表情はーー、


「な、に…?」


ドアノブに手をかけたまま、ココは固まってしまった。睨みつけられている。怒りか警戒か、何からなのかは分からないが全員が全員、ココを物凄い表情で睨みつけている。すると、固まったまま動かなかったココはハッとして言った。


「そ、そうだ、そうだった。ココは、ここを開けられ無いんだった、外に出ちゃ行けないんだった」


慌てて手を放すココ。そんなココを見てマシロは眉間に皺を寄せた。


「なんで?なんでダメなの?ココ」


声をかけると「え?」と、ココはおどおどした様子でマシロの方へと向く。


「なんで出れないの?なんで開かないって分かるの?」