「ミナミちゃんとかユーコちゃんとかもいる!」
「へぇ、ナオヤとエミカ以外にも友達が居るんだ」
「そうだよ!それにねぇ、まだ名前は知らないけどみんな挨拶してくれるし話した事もあるよ!最初にナオヤが紹介してくれてね、それからなの!だからこれからココはもっと友達作るの!」
マシロの方へと振り返り満面の笑顔で言ったココは、また外の方へと顔も戻す。「あ!エミカちゃん!ナオヤも!おーいっ!」なんて、手を大きく振っているが、向こう側で気づく様子は一向にない。
「あー、なんでみんな気づかないんだろう。ココも外出て一緒に遊びたいなぁ」
「じゃあ外に行ってみればいいじゃない」
「行けないよ、だって外に出れないもん。出るとこが無い」
「ならあれは?」
マシロが指を指すのはココの隣側。いつの間にかただのガラスだった場所には扉が出来ていた。それを見たココはおかしいな、と首を傾げる。
「…あったっけ?ここにドアなんて」
「さぁ?あったんじゃない?」
こんな狭い部屋で見落とす訳がない。ココが疑問に思うのも仕方ないが、先程から起こる不思議な事の数々に頭はだんだんとその現象に慣れてきていた。



