ココとマシロ



「ここは…どこ?部屋の中?」


そこは壁に囲まれた場所だった。地面も天井もしっかりある。さほど広くは無いその部屋は、ココの左手側の壁が全面ガラス張りであったため開放感があり、広さの割りに圧迫感はない。そこからは日の光がよく入り、先程と打って変わってとても明るかった。

ガラスの向こう側にココは目をやる。するとそこはココのよく知った場所であった。


「あれ?もしかしてここ学校じゃない?そうだ、学校のグラウンドだ!」


「ほら見てマシロ!」と、驚きやら何やら色々なものから気持ちが高揚した様子でマシロに声をかけるココ。もうすっかり考え事をしていた事など忘れているであろうその姿に、マシロはやれやれと頬をゆるめた。


「あれ?誰かいる。あそこに誰かいるよマシロ。もしかしてクラスのみんなかも!」


気がつくと現れていたグラウンドではしゃぐ子供達を指差してココは言う。こちらに気づく様子も無い向こう側の子供達の顔を確認し、ココは「そうだ!やっぱりそうだ!」と嬉しそうにした。もうすっかりガラスに張り付いている。