どこへ向かうのが正解なのか。奥へ行けば何が分かるのか。奥へ行ったら何かが変わるのか。色々と分からない事だらけだが、ココは歩き出す。
先には何も見えないが、マシロはココには分かると言った。考えてみよう。と、ココは思う。
ここには海に入ったら来たんだ。でもここは海じゃない。一瞬で空も水も無くなって、気づいたらここにいて…あれ?海にはどうやって来たんだっけ?そういえば目を閉じて想像したら何故か本当に水が冷たくて、太陽も眩しくて暖かくて…ん?そうだよ、ココは部屋に居たんだよね?それなのに、夢でも見てるのかな……でもマシロはココの心の中だって言ってるんだもんなぁ…それも夢なのかなぁ…
その時、目の前の暗闇がグニャリと歪んだ。マシロはその気配に気づいたのだが、考え事で夢中なココは一切気づいていない。これはきっとココが考え事を始めた事により、空間がより深みへと繋がろうとし始めたのだ。今のココの思考に合わせるように。
よし、ここだ!と、マシロは思った。
「ねぇココ、引っ越す前の所はさ、もっと田舎だったよね。もっと人も少なかったし、辺りは山に囲まれてた」
急に関係の無い昔の話をし始めたマシロにココは「え?」と、怪訝そうな表情を見せるが、すぐに「そうだね」と、少し懐かし気に答えた。



