見えなくなるのではない。“居なくなる”。まだココはその違いを理解していない。
「いっ…、嫌だよマシロ!そんなのやだ!」
「仕方ないんだ。力を全部使うから、僕はきっと消えてしまう」
「やだそんなのっ…って、え…?消えてしまう…?…力を全部、使うから…?」
マシロの言葉の違和感に気づいたココ。マシロは隠すつもりはなかった。
「そう、見えなくなるんじゃない。僕は消えてなくなるんだ」
その事実のせいでココを追い詰めてしまうかもしれない。しかし、秘密にしたまま、騙したまま、もしもその時を迎えたならば、真実を知った後ココはきっと辛い思いをしてしまう。
全てを理解し、納得した上で決めて欲しい。自分の未来を。
「だ、ダメ!そんなのダメ!消えちゃうなんて、そんなの絶対ダメ!マシロはココとずっと一緒にいるんでしょ⁈約束したもんっダメだよ!」
案の定、ココはそれを否定した。
ココにとってマシロが消えてしまう事は、普通になれる事を捨ててでも避けたい事。マシロが居なくなるなんて考えられない。選択の余地はない。そう、今のココは思った。



