「えっ、それってもしかして、ココもみんなと同じになれるって事?」

「そうだよ」

「もう恐い思いしないの?もう影に追いかけられない?もうくっつかれない?」

「そうだね、そういうことだ」


うわぁ…っ!と、久しぶりに見た嬉しくて仕方ないといったココの表情。大きく開かれた瞳はこぼれ落ちてしまいそうなくらいだ。

…しかし。


「もうココにも見えなくなるんだっ…!」


その一言を口にした瞬間、ピタッとココは動きを止めた。


「…どうしたの?ココ」


マシロが声をかけるとどこかぎこちない動きでこちらへ顔を向けたココに、やっぱり気づいたか。と、マシロは思った。


「…ねぇマシロ?もしかして、影が見えなくなるってことはさ…もしかして…


マシロの事も、見えなくなっちゃうの…?」


その問いへの答えは、決まっている。


「…そうだよ。僕もいなくなる」