…その言葉に、直哉は目を丸くする。


「…おい、マシロ。それってどういう…」

「そのままだ。そのままの素直な意味で受け取ってくれて構わない」

「いや、いやいや。だっておかしいだろ、おまえがこんなこと頼むなんて。しかもわざわざこんなところにまで来てオレにだぜ?なんだよ、何があったんだよ」

「別に何もない。ただ、今君の話を聞いて君になら頼めると思った」

「んなっ、そんなこと…第一おまえの大事なココはオレの事嫌ってんし…」

「ココは君に心を許している。君だから今朝はあんな風に想いを打ち明けることが出来たんだ。君に理解してもらうことを本当はココは望んでいるんだよ」

「いや、オレなんかアイツの目に入ってねぇよ。アイツはいつもおまえしか見てねぇし、おまえがいれば十分だ。…そうだよ、オレになんか頼まなくたって平気だろ?おまえってそうゆう奴だったっけ?そうだよな、違ぇよな?何もないなんて嘘だろ?何だよ、何のつもりで来たんだよ。なんでおまえがココの事をオレに頼むんだよ、今、このタイミングで」