「なんかもう、別物として見てるっつーか。別物…つーか、宝物？可愛くて仕方ないんだろ？ココの事が。不思議だよな、おまえ鬼なのに。人間のオレなんかよりよっぽどココを安心させられる」
そう言った直哉は笑っていた。笑っていたがーーその笑顔は、自身に向けられたもの。自分自身を嘲笑ったものだった。
「もうなんだろうな、なんなんだオレは。ココが心配でなんとかしてやりたくて行ったのに、結局追い詰めることになっちまうし…あんなつもりじゃなかったんだ本当は……本当は…って、こんなこと今言ったって、どうしようもないんだけどな。そうなんだよ、どうせオレはおまえみたいに出来ねぇし、ココだってオレのことそんな風に思ってねぇし、始めの頃は信用してなかったんだけどでもおまえ、ココに対しては良い奴だし…オレが出しゃばったところで何にもなんねぇんだよなと、思ったっつーか……って、オレが語ってどうすんだよな。なんだ？なんかすげぇ喋った気がする」
意識せずに口からどんどん言葉が、想いが出てくるようだった直哉の様子に、マシロは今朝のココと直哉のやり取りを思い出した。今朝の事に関してはただの気まぐれという訳ではなかったんだなと、興味本位でも無いんだなと今の反応を見て改めて理解した。
