ココとマシロ



「おう。分かってるならいいんだ、分かってるなら…は?分かってる?な、今分かってるって言ったか⁇」


てっきり今朝のココの事で文句を言いにきたのだとばかり思っていたため、完全に想定外だったその返答に直哉は目をパチパチとさせてその声の主である真っ白な奴ーーマシロを見つめた。おそらく、相当間抜けな顔だったと直哉自身思う。

すると一方でマシロはというと直哉の返しが気に食わなかったようで、無表情だったその表情が、みるみるうちに不機嫌なものへと変わっていった。


「……」

「…なぁ、おい。いや、分かった、分かったから!そんなに怒るなよ」

「……はぁ」


毎度毎度、コイツはなんでこうも僕の癇に障るような事ばかり…と、自身が苛立ち始めた事を理解しつつも、今回は重大問題を抱えてここに訪れたマシロはこんなことではいけないと、気持ちを落ち着かせるために溜息をついた。

…そうだ、問題を片付けなければ。


「…君に、聞きたい事がある」