今の混乱した状態でココに大きな決断を迫るのは酷だと思ったのだ。
一度決めてしまえばもう後戻りは出来ない。そんな選択を今迫られている。
マシロはあの日以降ずっと考えていた。考えて、悩んで、そして今日に至った。
だからーー
“ココが直哉に心を許している”
この事実は、選択を迫られたマシロの背中を押すことになった。
と、したならば。
「ココ、起きてる?」
また布団に潜り込んだココに声をかけるが、聞こえてくるのは規則正しい小さな寝息。疲れて寝てしまったのだろう。
ココが寝ているのを確認したマシロは、そっとその場から居なくなった。



