だからもし見えなくなったところで何も変わらず、僕も居なくなり、結局独りになってしまったらと思うと…どうしても“見えなくしてあげる”とは、安易に言えなかった。
しかしココ自身が見えなくなる事で周りと同じになり、自信を得て変われるかもしれないと思うと、またそれもはっきりとは否定出来ない訳でもあり…正直、とても難しい。
そしてもう一つの選択肢、ずっと一緒にいること。
これは正直なところ、ココの本当の願いなのか、本当にココのためになるのかどうかを疑っていた。もちろん、彼女が望むのであれば僕は一生共にすることも出来る。ココが僕の存在を求めていることは事実だ。しかしそれ以上の望みがココにはある。諦めていた、大きな願いがある。それを今、今なら僕が叶えてあげることが出来る。僕が。そう、僕だけが。
そう思うと、より一層答えを早く出さなければとマシロは思った。この力がまた足りなくなる前に。早くなんとかしてあげたい。
だがしかし、マシロは今のココに、君はどちらがいいかなんて尋ねる事は出来なかった。



