ココとマシロ



ココは自分の部屋へと戻るとすぐにベッドへ潜り込んでしまった。布団に包まり、丸くなったそこからはグスグスと聞こえてくる。どうやら泣いているようだ。

マシロはぼんやりとココが居るそこを眺めながら、今さっき起こったことを思い返していた。


驚いたーーとにかく、驚いた。
まさかココがここまでくってかかるなんて。しかも相手は慣れ親しんだ僕ではない、ついこの間出会ったばかりの人間だ。

ココが今、精神的にとても追い詰められているからだろうか。それとも、同じ影が見える側の人間だったからだろうか。


ーーいや、違う。


ココは許している。アイツに心を許しているのだ。

だから気持ちを受け止めて欲しくて、分かって欲しくて事情を話した。しかし分かって貰えなかった。だからといって、諦め切れなかった。それが表す事はーー…


その時、コンコンとドアをノックする音がした。