「誰にも分かってもらえない。誰も気づいてくれない。自分でもなんとか出来ない。だから、マシロが助けてくれるのに…なのに、何も知らない人にそんなこと言われたくない!」
それは、ココの心の叫びだった。
ココにとって初めての叫び。ここまで踏み込んできたのは、直哉が初めてだった。
直哉の言いたい事は分かる。でもココは直哉に対してどうすればいいのか、もうわからない。
「でも、このままマシロに依存してたって何もならな、」
「独りにならないよ!…マシロがいれば独りにならない。辛い思いしない!」
「でもっ、」
「分かって!お願い。ナオヤなら分かるでしょう?ナオヤになら、分かるでしょう?」
「……」
「お願い、お願いだからもうこれ以上…」
「もうやめてよ…」そう言って肩を震わすココを目の前に、直哉はもう何も言えなかった。



