凛とした声が、その場に響いた。

ーー直哉だ。


「来なくていい。来るなよ、マシロ。これはオレとココの問題だ、おまえはいらない」


そっと現れたマシロをしっかりと見据え、ハッキリとした口調で直哉は言った。

目を剥くココの後ろで、「…は?」と、マシロは口から声が漏れた。直哉の生意気な言い分が気に食わない表情だ。
直哉にももちろんそんなマシロの言い分は分かった。ーーが、しかし。そんなマシロが口を開くより先に口を開いたのは、ココだった。


「な、なんで…?」

「なんでも何もねぇよ」

「あるよ!なんでいらないなんて、なんでそんな酷いことマシロに言うの⁈いらないなんて言わないで!マシロはココの大事な、」

「いらねぇよ!そんな甘ったれた逃げ道!なんでわかんねぇんだよ!」