「……」 そしてココは小さく頷き、腰をあげた。 マシロに隠れるようにこちらへ歩いてくるココ。その姿を笑華は怯えたような瞳で見ていた。何が起きてのかさっぱりわからない笑華は不安に思っているのだろうと思い、直哉はそっと「大丈夫だから、行こう」と告げる。 横をすれ違う間際にマシロがこちらを見た。 その一瞬が、直哉の始まりのきっかけだった。