「なぁ、ココ」
そして直哉が一歩、足を踏み出した。しかし、
「嫌っ、やだ‼」
拒絶の反応。先ほどの言葉はやはり自分たちに向けた言葉で間違いなかったのだと、改めて認識する。
するとその時だった。
「ねぇココ。向こうに戻ろう?」
そう言いだしたのは、マシロだった。
「いやだ」
「戻るよココ」
「いや!なんで⁈もう恐い、もう帰りたいよ!」
「ダメだよ。君は今日どうやってここに来た?誰とここに来た?忘れたの?学校の行事で来たんじゃなかった?」
「そうだけど…」
「このまま僕と帰ったらココは急にここからいなくなったことになる。そうなったらみんなはココを探すし、家にも連絡が入る。帰ったら後もどうやって家に帰ったのかみんなが分かるように説明も出来ないわけだから、君が思っている以上に大事になるだろう。そうなると、みんなに迷惑がかかる。分かる?」



