「ま、マシロ?」

「何?」

「マシロなの?」

「それ以外に何に見えるの?」


「僕はマシロだ。君が名付けたんじゃないか」なんて、しれっとした顔言うマシロ。そんな彼の以前と変わらぬ態度に、ココは余計に溢れる涙を止める事が出来なかった。


「…何?どうしたの?」

「だって、マシロがっ、」

「僕?」

「マシロがっ、だってっ、うわーん‼ 」


飛びついてくるココをやれやれと優しく受け止めてやるマシロ。うわーんって、大人になるんじゃなかったのかと、結局何も変わっていないじゃないかと、呆れたような、それでいて少し嬉しいような気持ちになる。


「ねぇ、ココ。忘れないで」