ーー怖い
怖い
怖い
足を止める訳にはいかなかった。足を止めてはいけない、走らないと。でも、どこまで?先は暗闇。何も見えない。一体どこから入ってきたのか、さっぱりわからない。もしかしたら奥へ進んでしまってるのかもしれない、奥へ追いやられてるのかも。でもこっちから来たはず。本当?先に何も見えないのに?じゃあどうすればいい?どこに行けばいい?どこに向かえばいい?とにかく逃げないと、でもどこへ行けば逃げ切れるの?この場所から出ればいいの?でも、アレは外にいた。だって笑華ではなかったのだから。そうだ、アレは外に出れる。じゃあ、どこまでも追いかけてこれるってこと…?
その瞬間、頭に浮かんだのは"絶望"の二文字。
もう、逃げきれない。



