ココとマシロ



そんなココに、「あのなぁ、」と、直哉は呆れつつ言う。


「まーだマシロマシロいってんのか?やめるんじゃなかったのかよ」

「だって、マシロが」

「あーもう、なんだよ!マシロがなんて?」

「マシロが…マシロが、」


そうだ、いなくなった。昨日からずっと。昨日の夜も今日の朝もいなかった。いなくなったんだ。


「いなくなっちゃったよー…」


言葉に出すとその事実が理解出来る。今までたった一度でもいなくなった事はなかった。マシロはずっと居てくれた。だって、ずっと傍にいてくれるって約束したんだ。それなのに…


「ちょうどよかったんじゃね?」


そんなココの様子を窺いつつも、直哉は言った。


「昨日言ってたのはこういう事じゃん」