「あ、そう。そうゆうこと」
「え?」と首を捻るココから、マシロは視線を逸らす。そして、静かに目を閉じた。
ふつふつと沸き上がる感情。これをどうすればいいのか、マシロは分かっている。分かっているんだ。分かっているんだけど――…
「僕はもう、いらないって事だね」
「え?」
「いない方がいいんだろ?一人で大丈夫だって言ってたじゃない」
目を開いて、マシロはココを見る。マシロの言葉に動揺し揺れる瞳を、しっかりと見据える。君は分かってる?君は選んだんだ。
「それとも嘘だった?ココは嘘つきなの?」
そう煽ってやれば、返ってくる言葉は決まっている。
「う、嘘つきじゃないもん!ココはっ、わ、わたしは嘘つきじゃない!」
そして「一人で大丈夫だから、もうマシロには頼らないんだから!」そう言ったココに、「そうだね」と小さく呟き、マシロは消えた。
僕が仕向けた事に君は気づくことはないだろう。でも、最後の言葉を告げたのは君だ。
知らないよ。君自身が決めた事に、後悔すればいいんだ。



