その言葉に、ココは迷う事なく起きた事実を告げた。


「ココ、黒いの見えるって、言っちゃったっ…」

「うん」

「だって、すごい、辛そうだったからっ、だからっ、言っちゃったっ」

「うん」

「そしたらっ、そしたらココ、変って、言われた…っ」


そう口にするとやっぱり辛くて、更にココの瞳からは涙が溢れ出した。泣いたって何もならないけれど、仕方ないのだ。だって涙が勝手に出てくるのだから。

そんな自分でも制御不能になっているココに、マシロは諭すように言葉を紡いだ。


「でも、それはしょうがない事だよ。ココはそいつらと違うんだから」

「…っ…」

「人間は、自分と違うものを異常に警戒するんだ」


そう言うマシロに、ココは無言で頷く。そうだ、前にもマシロにそう言われた。

そして昔を思い出し、ココは再度頷いた。


「だから秘密にしようって、思ったんだけど…ココ、言っちゃった」