「ココ、おかえり」


今朝別れた場所と同じ場所に、立っていたのはマシロ。

その姿を見つけた瞬間、ココの目には涙が込み上げてきた。


「マ、シロ」


そう大好きな彼の名前を口にすると、それは容易にこぼれ落ちた。


それを見たマシロは、あぁ、やっぱり。と、心の中で呟いた。マシロにはココが何故泣いているのか、もう察しがついていたのだ。


ーーあぁ、やっぱり。やっぱりダメだったのか。


「…おいで、ココ。帰ろう」


マシロが声を掛けると、その優しい声色に導かれるようにココは大きく頷き、マシロの隣をゆっくりと歩き出した。

涙はまだ、溢れてくる。


「どうだった?学校は」