その言葉は、先程祐子がココに掛けた言葉。自分が相手に対して抱いている気持ち。
それをそのまま返されても…当然、祐子は素直に受け止める事なんて出来ない。
そんな祐子に、祐子だけを写す瞳でココは言う。
「だって、鈴木さんはココの事も鈴木さんの事も、よーく知ろうとしてるから! 沢山考えてるから!」
「……え?」
「ココはいつも考えが足りないってマシロに怒られるんだ。鈴木さんはすごいって言ってくれたけど、本当はココ、友達だって上手く作れないし人の目だって気になるし全然ダメで…それでなんとかしなきゃなぁとは思ってるんだけどいっつも出来ないんだ。だから何とかしようと沢山方法を考えたり、どうなりたいか思い浮かべて人に当てはめたり、そんな事が出来てる鈴木さんはすごいと思う!」
「………」
「ね?それにさ、出来ないって言うけど鈴木さんはちゃんて出来てるもん。ココにこうやって沢山話してくれたでしょ? すごいと思ったよ!」
ココの言葉に、祐子は動きを止める。しかしこれは、会ったばかりの時とは違うもの。祐子は、胸が一杯になる。
そしてそんな祐子に、ココはいつもの満面の笑みを浮かべて言った。
「…ココ、鈴木さんと友達になりたいなぁ」



