「……私、駄目だよね…こんなんじゃあ、いつまで経っても友達出来ないよね…」そう言って、祐子はお守りを握り締めた。
分かってるけど、上手く出来ない。だから友達が出来なくて悩んでしまうその気持ちは、ココにもよく分かった。ココだって、いつも思うようにいかない事ばかりだ。
すごくなんて無い。人の目だってずっと気にしてきたし、言いたい事だって上手く言えてもいない。祐子の言うココはきっと、ココじゃない。そう見えているのは、祐子が理想をココに重ねただけ。
「ココも同じだよ」
「…え?」
「ココも友達作れないし、上手く出来ないよ」
目をクリクリとさせたココはすでに祐子に掛ける言葉を見つけていて、ジッと見詰めた瞳を動かす事なく、彼女は言った。
「鈴木さんはすごいね!」
「……え?」と、祐子の口から思わず溢れた声。だからもう一度、ココは言った。
「ココは、鈴木さんの方がすごいと思う!」



