そしてお守り捜索が始まった。

どこに行ったのかどこで気が付いたのか、どこまで持っていたのか。過去を思い返し、沢山の案を上げ、三人は探す。

先程までココを警戒するような仕種をみせていた祐子もすっかり打ち解け、とにかく探して探して歩いて……気づくとそこは、教室の前。ココ達の教室の前。

どうやら始めに戻ってしまったらしい。


「無かったな、お守り」

「………」


ずんと沈む祐子。そんな彼女を励まそうとココは声を掛ける。「無くなる訳ないよ!どっかに絶対あるはずだからさ、だからね?もう少し探してみようよ!」

しかし、祐子は俯いたまま、小さな声で言った。


「…もう、塾行かなきゃなんないから……ごめんね。探してくれてありがとう」


そしてクルリと向きを変え、とぼとぼと歩き出す。止めたい、止めたい……けど。


「塾、じゃあしょうがないよね…」


ココはガックリ肩を落とした。