「見ないで…。汚いから…」 「そんなことないよ」 私の手を握ってくれる。 「ごめんね」 「ううん。全然平気。」 トイレから出ると夏は 私の歩幅に合わせて ゆっくりと歩いてくれる。 “大丈夫?”って 何回も心配してくれながら。 「今日、俺ん家泊まってく?」 夏から驚きの言葉が出た。 「へ?」 「いや…その 変なイミじゃなくて 杏が辛いとき すぐ助けてやりたいなぁ、 と思ったんだけど」 「…………」 「嫌??」 「嫌じゃないよ。…けど…」 「けど…??」