「やっぱやーめた」 純は、吸ってもいない煙草を灰皿にほうりこんで、窓を閉める。 「煙草…吸わなくていいの?」 「あぁ。…チューする時、苦いのヤだろ?」 「うん……」 昔、純が煙草を吸ってる途中にキスした。 その時に、私の口の中に苦い味が広がって嫌だったのを覚えてる。 純は、それを覚えててくれてる。