「帰るよ」 「待てよ」 「なに?」 「これ」 そう言って純は私にコートをかけてくれた。 「ありがとう」 「いや。外寒いだろ?」 「う、うん」 さっきまで純が着ていたからか、ぬくもりが感じられる。 「純は寒くない?」 「平気平気!!」 「ふ〜ん」 “平気”と言いながらも純の手を握ると冷たかった。 「手、繋いで行こっか」 「あぁ、うん」 「純、走ろ!」 「おぅ!」 私と純は 手を繋いで走る。