私はトボトボと道路を歩く。 「杏!!」 後ろから聞こえた声に、勝手に足が速くなる。 「杏!」 肩を捕まれて、私の体は温かいものに包み込まれた。 「さっきはごめん……やり過ぎた」 「……離して……!」 必死で腕の中から抜け出そうとするけど、びくともしない。