「杏」 「ん?」 「本当に俺でいいの?」 「急にどうしたの?」 「心配になってきた」 純は私から少し離れる。 「純がいいんだよ」 「俺……夏じゃないよ?」 「知ってる。…純がどんなに頑張っても夏にはなれないよ。だけどね、私は今のままの純がいいの。だから無理して努力しなくていいよ」 「……ありがと…」 「うん」 純はまた抱きしめてくる。