「杏?帰る?」 「うん」 「じゃあ行こう」 私達は部屋をあとにする。 やっぱり手は握ってるよ。 お互い熱を持ってるから 汗で湿ってるけど……。 自転車にまたがると純が手を後ろに出してきた。 私はその手を握る。 「杏。俺、お前のことすげぇ大事にするから」 「うん」 「俺が18になったら結婚してください!」 「うん!」 「じゃあ出発!!」 「出発!!!!」 前に向き直って純がペダルをこぐ。 来る時とは違ってゆっくりと、時間を噛み締めるかのように。