「ただいまぁ」 「おかえり。 夏君とこ 行ってきたんでしょ?」 「うん。 ご飯いただいてきた。」 「そうなの? お礼言わないと……」 お母さんは そそくさとリビングに 戻って 夏の家に電話をかける。 「あ!こんばんは。夏君? お母さんいる??」 夏!? 寝てたはずじゃ……? 「いない?わかった。 …杏?いるよ! じゃあかわるねぇ」 やけに上機嫌で 受話器を渡してくる。