数秒の沈黙の後……… 力強くて 優しくて 温かい腕に抱きしめられる。 「ダメなわけねーだろ。杏は俺だけを見てて」 「うん」 「杏と関係がギクシャクし始めて改めて知った。“杏は俺の大切な存在”って。 本音を言うと、杏が俺に見せてる表情も、全てを他の男に見せてほしくない。他の男に杏を触られてほしくない。他の男と喋ってほしくない。……でももぅ大丈夫。俺と杏の絆はなくならないってわかったから」 私の頭をポンポンってしながら、まるで自分に言い聞かせるように話す夏。