「ピアス…してた。金色の髪の毛」

夏の顔を見れずに下を向いて話す私。
あの時の……あの時の映像が頭をよぎる。

「ごめん杏」
「……」

私が怯えているのに気付いた夏が謝ってくる。
でも私は
恐ろしくて…怖くて……ただひたすらに怖くて夏の顔を見ることも、返事を返すことも、顔をあげることも出来なかったんだ。