「帽子、好きなの?」 夏が私の方を向いて問いかけてくる。 「…まぁ」 夏が私のほっぺに手を伸ばしてくる。 瞬間的に私はその手を払ってしまった。 「ごめ……っ」 「その傷、どうしたの?」 「転んじゃったの…」 苦しい嘘を苦笑してつく私に夏は目を細める。