係の仕事が終わって 窓の外を見ると もぅ真っ暗だった。 「真っ暗だね。」 今にも この真っ暗な 吸い込まれそうな 空の闇を見ながら 帰り道を歩いていると 夏が手を握ってくる。 「杏…。 俺ん家、寄ってかない?」 「うん。いいよ」 夏の家と私の家は 隣どおしだから、 遅くなっても すぐ帰れる。 だから、 夏の家に寄ってくことにした。