17歳の不良と6歳の殺し屋

「雫。最後の交渉よ」
「……」



「仲間になるなら銃をとれ。ならないなら口を閉ざせ」

そして、翡翠は続けてイタリア語で言う。
『Il vincitore o un perdente』

翡翠の後ろのハリスも静かに壁に寄りかかり目を伏せながら「選ぶのはお前だ」と言葉を投げた。

目の前に銀色の美しい銃器。

「……シグ……」

ゴクッと喉がなる。そろそろと震える指が動く。
これは薬の影響なのか、それとも己の心なのか。もう雫には判断できなくなっていた。

「雫…」

ポツリと翡翠は雫に呼びかける。途端にピクリと雫の身柄が反応した。

「勝ちたいか?」

「……?」

「負けたくないか?」

「……っ」



「勝ちたいか?!」

「……っ!!」

一際大きく翡翠が叫ぶ。それに雫はきゅっと唇を噛んだ次の瞬間。


「勝ちたい!!」


大きく叫んでいた。