17歳の不良と6歳の殺し屋


「そう、なら話は早いわね。雫、お前今日危なかったでしょう?」

「そうそう、俺達がいなかったら今頃どうなっていたか…」

「そういう事じゃないわ」

話に入り込んで来たハリスを翡翠はズッパリ切り捨てた。
雫は落ち込むハリスに呆れと哀れみの入れ混じった目を向けて、また直ぐに翡翠の方へ戻した。


「人だって生き物なの」


駄目だ、と雫は思った。この笑い方は駄目だと。


「だからみんな本能のままに生きているのよ」


しかし、どんなに駄目だと思っても、今の己には黙って話を聞くしか選択肢はない。

「まぁ、理性は強い方だけど。それでも適当に妥当な言い訳作って動いちゃうわけよ…」



(嗚呼…)



「どーだった?今回の戦いは」



「………つまらないよ」