酷く頭が重かった。 薄っすらと目を開けてボヤける視界の中、重いのは頭だけでなく身柄全体なのだと気付く。 (ここは…どこだ……?) 視界は段々とはっきりしてきて、そこがとても見慣れた場所だと気付く。 だが、やはり今は声を出すという行為をする気にもなれなくて…再び、その瞳を閉じようとした。 だが、小鳥のような澄んだ声によってそれは叶わなかった。 「雫、起きたの?」